このたびの熊本地震により、
被害を受けられた皆さまには、謹んでお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧を心より願うばかりです。
それと共に、中央構造線という活断層を背にして生活をする、
紀北地域に暮らす私達も、きたるべき中央構造線からの地震・東南海地震に備え、
準備を行っていく必要性をあらためて感じます。
(一説によると、今回の一連の地震は、関東~和歌山の紀北~四国~九州とつらなる
中央構造線の延長上であるとも、一部報道などでは言われています。)
住宅を設計する私達としては、特に、
【住宅設計で防災として、できること】
を考えます。
これから新築やリフォームを
考えられる方に贈ります。
よく起こるであろう問題を想定し、
それに対する準備できることを、以下に書いていこうと思います。
ご参考までに。

●トイレの水が流れない。(排水の問題)
⇒タンクのあるトイレを採用する。
⇒(理由)
震災時、水道管が破損して、水の供給がストップされる場合を考えないといけません。
仮に使えなくなった場合、通常、バケツで毎回便器に直接流しますが、
それをタンクに入れておけば、少しでもその労力が減り、地震・余震のストレスが
やわらぐのではないかと考えるためです。
※ちなみに、通常のトイレの場合、1回流すのに、約5~6Lほどの水を必要とします。
ですので、2Lのペットボトル×3本分を、毎回使うごとに必要となる計算になります。

●電気の復旧時に火災になる。(通電火災)
⇒大きな揺れがきたら、揺れを感知して
ブレーカーが落ちるようなものを使う。
⇒(理由)
電気が復旧した時を考えないといけません。
ちなみに、阪神淡路大震災・東日本大震災の火災の約50%以上が、
電気が復旧したあとの通電による火災だと言われています。
(これを通電火災と言います。)
地震が起こり、避難所に避難していたが、電気が復旧した際、
スイッチが入ったままになっていたものに、揺れで落ちた衣服に
燃え移った、あるいは、漏電が起こっていたことに気づかなかったために、
通電後、火事が起こってしまうというケースがあるためです。

(神戸市ホームページより抜粋)

(春日部市ホームページより抜粋)
●電気がこない。(停電)
⇒太陽光発電システムを備えておく。
⇒(理由)電気が停電した場合、電線・電柱によっぽどの
大きな被害がない場合、通常、約1日ほどで復旧されると言われています。
これは、インフラ系統の中では一番復旧のスピードが早いものになります。
しかし、家で避難待機をする場合は、すくなくとも1日以上は
電気・電源をいかに確保するかという問題に直面します。
そのためにも、太陽光発電を設置しておけば、太陽が出ている日中は、
付属のコンセントを利用することで、発電した電気を直接利用でき、
携帯電話の充電・炊飯器の利用などができます。
(※ちなみに、W発電などとうたわれている燃料電池については、
電気が通っていないと、発電機能は利用できません。)
●水(飲料水・生活水)が足りない。 (水不足)
⇒電気温水機・エコキュートなどの水を貯蓄しておけるものを採用する。
⇒地域の井戸を活用する。または、新たに井戸を掘っておく。
●火事にならないか心配。(火災の危険性)
⇒火を出さない、使わない、オール電化にする。
⇒また、地震が原因で出火した場合、火災保険では費用がまかなえないのはご存知でしょうか。
地震保険に入って、はじめて保険から費用が出ます。この機会にぜひ見直しましょう。
(気になるようでしたら、弊社までおたずねください。)
●物が倒れないか心配(倒れて覆いかぶさってくるリスク)
⇒荷物をクローゼットの中などの四方を囲われた場所に入れ込んでしまえるように計画する。
⇒天井とタンスなどの家具の上に、つっぱり棒をし、固定する。
(ただ、この場合、一昔前の住宅では、天井はつっているだけのような構造をしているものもあり、
そちらの場合は利用できませんので、確認が必要です。)
もしくは、特殊なジェル状のシールのようなもので、家具の下に置いてはさんでおくと、
強力に揺れに対抗することができるものが市販されているので、そちらを購入しましょう。
●食べ物が足りない。(貯蔵の問題)
⇒しっかりと非常食用の場所を確保し、いざというときに分からないように
ならないように、物の住所を決めておく。
そのためにも、パントリーを作り、安い時に買いだめをしておく。
⇒普段使いしないものは、床下収納に入れておく。
●震災時にすぐに逃げれるか。(逃げやすさ)
⇒敷地の大きさに余裕があれば、いっそ、平屋を計画する。
⇒(理由)今回の熊本地震の際でもそうでしたが、報道などを拝見していると、
いざ揺れだすと、動けなくなってしまい、逃げられなくなったりするということが
多かったようでした。普段からの意識・心がけと共に、
すぐに家の外に逃げ出せるようにしておくことも重要かと思います。
その点、平屋であれば、すぐに外に出やすいので、
地震などの際は、比較的逃げやすいと言えます。
⇒また、2階建てよりも、人間でいうところの頭が大きく、重くないために、
揺すられるリスクが低く、地震に強いと言えます。
●震災に強い家にできるか心配。(耐震性)
⇒できるだけグリッドな(四角い)家を建てる。
⇒(理由①)デコボコしている家は、縦・横だけでなく、
ひねられるような力が加わりやすいため、
四角い家に比べると、一般的には弱いといわれています。
また、デコボコして外形が変形していると、回りの外形に対して、細い
接合部分などは、力がかかりやすく、耐震設計を考えるうえで、好ましくありません。
一番効果が高いのは総2階。
⇒(理由②)構造からデザインをとらえることが重要です。
奇抜なデザインにかたよらず、シンプルに力を逃がす構造を心がけて、
家をデザインするだけで、いざという時の住宅の強さが変わります。
●屋根瓦が落ちないか心配。
⇒屋根を軽くすることで解決できます。
⇒(理由)屋根が落ちると、意図せず、通行人・通行車に被害を与えてしまうことがあります。
グラッサなどの重量が軽い屋根で、地震が起こって揺れた際に、
構造躯体にかかるであろう重さをやわらげておく。
さしあたっては、こんなところでしょうか。
すべての人に安心・安全であって頂きたいと願うばかりです。
ご参考までに。
被害を受けられた皆さまには、謹んでお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧を心より願うばかりです。
それと共に、中央構造線という活断層を背にして生活をする、
紀北地域に暮らす私達も、きたるべき中央構造線からの地震・東南海地震に備え、
準備を行っていく必要性をあらためて感じます。
(一説によると、今回の一連の地震は、関東~和歌山の紀北~四国~九州とつらなる
中央構造線の延長上であるとも、一部報道などでは言われています。)
住宅を設計する私達としては、特に、
【住宅設計で防災として、できること】
を考えます。
これから新築やリフォームを
考えられる方に贈ります。
よく起こるであろう問題を想定し、
それに対する準備できることを、以下に書いていこうと思います。
ご参考までに。
●トイレの水が流れない。(排水の問題)
⇒タンクのあるトイレを採用する。
⇒(理由)
震災時、水道管が破損して、水の供給がストップされる場合を考えないといけません。
仮に使えなくなった場合、通常、バケツで毎回便器に直接流しますが、
それをタンクに入れておけば、少しでもその労力が減り、地震・余震のストレスが
やわらぐのではないかと考えるためです。
※ちなみに、通常のトイレの場合、1回流すのに、約5~6Lほどの水を必要とします。
ですので、2Lのペットボトル×3本分を、毎回使うごとに必要となる計算になります。

●電気の復旧時に火災になる。(通電火災)
⇒大きな揺れがきたら、揺れを感知して
ブレーカーが落ちるようなものを使う。
⇒(理由)
電気が復旧した時を考えないといけません。
ちなみに、阪神淡路大震災・東日本大震災の火災の約50%以上が、
電気が復旧したあとの通電による火災だと言われています。
(これを通電火災と言います。)
地震が起こり、避難所に避難していたが、電気が復旧した際、
スイッチが入ったままになっていたものに、揺れで落ちた衣服に
燃え移った、あるいは、漏電が起こっていたことに気づかなかったために、
通電後、火事が起こってしまうというケースがあるためです。
(神戸市ホームページより抜粋)
(春日部市ホームページより抜粋)
●電気がこない。(停電)
⇒太陽光発電システムを備えておく。
⇒(理由)電気が停電した場合、電線・電柱によっぽどの
大きな被害がない場合、通常、約1日ほどで復旧されると言われています。
これは、インフラ系統の中では一番復旧のスピードが早いものになります。
しかし、家で避難待機をする場合は、すくなくとも1日以上は
電気・電源をいかに確保するかという問題に直面します。
そのためにも、太陽光発電を設置しておけば、太陽が出ている日中は、
付属のコンセントを利用することで、発電した電気を直接利用でき、
携帯電話の充電・炊飯器の利用などができます。
(※ちなみに、W発電などとうたわれている燃料電池については、
電気が通っていないと、発電機能は利用できません。)
●水(飲料水・生活水)が足りない。 (水不足)
⇒電気温水機・エコキュートなどの水を貯蓄しておけるものを採用する。
⇒地域の井戸を活用する。または、新たに井戸を掘っておく。
●火事にならないか心配。(火災の危険性)
⇒火を出さない、使わない、オール電化にする。
⇒また、地震が原因で出火した場合、火災保険では費用がまかなえないのはご存知でしょうか。
地震保険に入って、はじめて保険から費用が出ます。この機会にぜひ見直しましょう。
(気になるようでしたら、弊社までおたずねください。)
●物が倒れないか心配(倒れて覆いかぶさってくるリスク)
⇒荷物をクローゼットの中などの四方を囲われた場所に入れ込んでしまえるように計画する。
⇒天井とタンスなどの家具の上に、つっぱり棒をし、固定する。
(ただ、この場合、一昔前の住宅では、天井はつっているだけのような構造をしているものもあり、
そちらの場合は利用できませんので、確認が必要です。)
もしくは、特殊なジェル状のシールのようなもので、家具の下に置いてはさんでおくと、
強力に揺れに対抗することができるものが市販されているので、そちらを購入しましょう。
●食べ物が足りない。(貯蔵の問題)
⇒しっかりと非常食用の場所を確保し、いざというときに分からないように
ならないように、物の住所を決めておく。
そのためにも、パントリーを作り、安い時に買いだめをしておく。
⇒普段使いしないものは、床下収納に入れておく。
●震災時にすぐに逃げれるか。(逃げやすさ)
⇒敷地の大きさに余裕があれば、いっそ、平屋を計画する。
⇒(理由)今回の熊本地震の際でもそうでしたが、報道などを拝見していると、
いざ揺れだすと、動けなくなってしまい、逃げられなくなったりするということが
多かったようでした。普段からの意識・心がけと共に、
すぐに家の外に逃げ出せるようにしておくことも重要かと思います。
その点、平屋であれば、すぐに外に出やすいので、
地震などの際は、比較的逃げやすいと言えます。
⇒また、2階建てよりも、人間でいうところの頭が大きく、重くないために、
揺すられるリスクが低く、地震に強いと言えます。
●震災に強い家にできるか心配。(耐震性)
⇒できるだけグリッドな(四角い)家を建てる。
⇒(理由①)デコボコしている家は、縦・横だけでなく、
ひねられるような力が加わりやすいため、
四角い家に比べると、一般的には弱いといわれています。
また、デコボコして外形が変形していると、回りの外形に対して、細い
接合部分などは、力がかかりやすく、耐震設計を考えるうえで、好ましくありません。
一番効果が高いのは総2階。
⇒(理由②)構造からデザインをとらえることが重要です。
奇抜なデザインにかたよらず、シンプルに力を逃がす構造を心がけて、
家をデザインするだけで、いざという時の住宅の強さが変わります。
●屋根瓦が落ちないか心配。
⇒屋根を軽くすることで解決できます。
⇒(理由)屋根が落ちると、意図せず、通行人・通行車に被害を与えてしまうことがあります。
グラッサなどの重量が軽い屋根で、地震が起こって揺れた際に、
構造躯体にかかるであろう重さをやわらげておく。
さしあたっては、こんなところでしょうか。
すべての人に安心・安全であって頂きたいと願うばかりです。
ご参考までに。